結婚・出産報告は年賀状でしてもいい?書き方やマナーを解説
どちらもおめでたいことなので、年賀状に報告も兼ねて一言添えているという方も多いのではないでしょうか?
しかし、自分の気持ちだけが先行して一方通行の報告になってしまっていないか、注意する必要があります。
今回は、年賀状で結婚・出産報告をする際の正しい書き方マナーについてご紹介します。
01. 年賀状で結婚・出産報告するのはOK?
そもそも年賀状は、日頃お世話になっている方へ新年の訪れを祝う目的で送る挨拶状です。
基本的にお祝い事である年賀状には、ネガティブな言葉や報告はNGとされていますが、結婚と出産はどちらもおめでたいことなので、年賀状で報告しても問題はありません。
むしろ、親しくしている相手からのおめでたい近況報告は、受け取った方からも喜ばれることでしょう。
いつまでに結婚・出産をしたら年賀状に兼ねても良い?
一般的には、9~12月頃に結婚・出産をした場合は年賀状に兼ねても失礼にはならないと言われています。
1~8月までに結婚・出産をした場合は年賀状とは別に「結婚報告」や「出産報告」を送った方が良いですが、最近では前年に結婚や出産をして年賀状で報告するという方も増えてきています。
結婚報告や出産報告は必ずしも送らなければいけないというものではないため、送る相手との関係性などを考慮した上で、夫婦で話し合って決めることをおすすめします。
年賀状の主旨を忘れずに、配慮のある書き方を心掛けましょう!
しかし、年賀状に兼ねる場合に注意しなければならないことがひとつ。
年賀状はあくまでも「新年のご挨拶」で始まり、「日頃の感謝の気持ち」を伝え、最後は「相手の健康と幸せを願う文章」や「今後のお付き合いについてお願いする文章」で終わるのがマナーです。
結婚や出産などの一大イベントを迎えて「幸せな気持ちを周りの方々にも報告したい」という気持ちも分かりますが、それらを全面に押し出したような書き方は年賀状には相応しくありません。
02. 結婚・出産報告はどのような関係性の人にまでなら送っても良い?上司や目上の方は?
年賀状で結婚・出産報告をする場合、基本的には人を選ばずどのような関係性の方にも送ることができます。
結婚報告の場合は3パターンに分けた文章を用意するとスマート
結婚式を挙げた場合、以下の3パターンで文章をそれぞれ用意しておくと、相手に合わせた年賀状を作成できますよ。
- 結婚式に参列してくれた人…結婚式に来てくれた御礼の文章を入れよう
- 結婚式には出席していないけれど、結婚すること(したこと)を伝えていた人…お祝いを貰った場合は御礼の文章を入れる
- 結婚自体を年賀状で初めて知らせる人(年賀状だけのお付き合いやご無沙汰している人)…近況報告のように一言程度で結婚したことを報告する
また、その中でもさらに上司や目上の方に送る場合は、失礼のないように正しい敬語を使用した丁寧な文章で送る必要があります。
出産報告の場合
出産報告の場合も結婚報告同様で送る相手は選びませんが、上司や目上の方に年賀状で初めて出産を報告するという場合には、注意しなければなりません。
年賀状を送る相手が上司や目上の方の場合、「子どもが生まれました」と報告をすることで、相手に「お祝いをあげなくては」という余計な気遣いをさせてしまう可能性があります。
あまり大々的に報告するのではなく、新年のご挨拶に加えてさりげなく近況をするようなイメージが良いでしょう。
相手の状況に配慮して送ろう
結婚や出産はとてもおめでたいことですが、受け取る相手によっては繊細な話題である可能性も考慮しておきましょう。
年賀状を送る相手の中には「結婚したくてもなかなかできない」「不妊治療中で赤ちゃんを授かりたくて頑張っている」という方がいるかもしれません。
知らなくて送ってしまった場合は避けようがありませんが、そのような状況を事前に聞いていた場合には、その方へは一般的な年賀状を送るもしくは赤ちゃんの写真は避けるなどの配慮が必要です。
とは言え、結婚・出産報告はお祝い事ですので、受け取った相手も嫌な気分になるというものでもありません。
あまり気負いすぎず、送る相手の状況に配慮した常識的な文面やデザインであれば、送っても問題はないでしょう。
03. 年賀状での結婚・出産報告、写真は入れる?入れない?
年賀状で結婚や出産を報告する場合、写真をどうするか迷う方も多いのではないでしょうか?
そのような疑問を解消すべく、結婚・出産報告を送る際の写真のマナーについてご紹介します。
結婚の報告をする場合の写真の有無について
結婚式の時のお気に入りの写真や、写真館で撮影した写真など、幸せな様子が伝わる写真を添えることは問題ありませんが、あまりにも写真が主張しすぎていたら何がメインか分からなくなってしまいます。
写真を添える場合は常識の範囲内のサイズで、1~3枚程度を組み合わせたデザインにすると良いでしょう。
出産の報告をする場合の写真の有無について
出産報告の年賀状で「赤ちゃん1人の写真」をよく見掛けますが、受け取った相手は赤ちゃんとは初対面であることが多いため、写真を添える場合は「家族写真」がおすすめです。
もし赤ちゃん1人の写真でお気に入りの写真があるという場合は、家族写真+赤ちゃん1人の写真を組み合わせたデザインを選んでも良いでしょう。
出産報告の場合も結婚報告同様で、写真が主張しすぎないよう常識の範囲内のサイズにしておくと良いですね。
上司や目上の人に送る場合、写真は避けた方が無難
送る相手がビジネス関係の人だった場合、写真入りの年賀状は失礼にあたることもあります。
ただし、ビジネス関係の人であっても、家族付き合いのある方やプライベートでも親しくしている人であれば写真入りで送っても問題ありません。
上司や目上の人に結婚・出産報告をする場合は、相手との付き合い方に応じて写真を入れるかどうか決めることをおすすめします。
04. 年賀状で結婚・出産報告をする時のポイントや注意点
ここからは、実際に結婚・出産報告を兼ねた年賀状を送る際に気を付けるべきポイントをまとめました。
相手の気持ちや状況に配慮したスマートな年賀状が送れるよう、ぜひ参考にしてみてくださいね。
賀詞とご挨拶文はしっかりと入れる
上記したように、年賀状の本来の目的は「新年のご挨拶」です。
「明けましておめでとうございます」や「謹賀新年」などの賀詞を最も大きく、その後に日頃の感謝の気持ちなどを添えた上で、結婚や出産の報告をするという順番を守りましょう。
賀詞よりも大きい文字で「結婚しました」や「子どもが生まれました」などという言葉を記載することはマナー違反です。
差出人は連名で!
夫婦どちらか一方の知り合いだったとしても、結婚・出産報告の場合の差出人は連名で送った方が良いでしょう。
結婚して姓が変わった場合はもちろんですが、夫婦別姓だとしても、特別な理由がない場合は夫婦連名で送るのが一般的です。
また、出産報告の場合は、生まれた赤ちゃんの名前や月齢を連名で入れておくと良いですね。
結婚をして引っ越した場合は、新住所が伝わりやすい工夫と「転送サービス」を利用する
結婚報告とともに、新居に引っ越したという報告を年賀状で行うという方も多いのではないでしょうか?
そのような場合には、今後の年賀状や手紙、荷物等のやり取りが関わってきますので、新住所が相手の目に留まるように書き方を工夫する必要があります。
年賀状で初めて新住所を報告するという方は、相手がすでに旧住所の方に年賀状を送ってしまっている可能性があります。
結婚を機に引っ越しをしたという場合は、郵便局の転送サービスを利用し、旧住所宛に送られた郵便物が新住所の方に届けられるよう忘れずに申し込んでおきましょう。
新しい家族を紹介する際には、フリガナを振ると親切
相手の方にとっては、結婚したお相手の方や生まれてきた赤ちゃんは年賀状で初めて顔と名前を知るということも少なくはありません。
最近はキラキラネームや当て字での名前も多く、漢字だけだと読むことができない場合があります。
新しい家族を紹介する際は、漢字の上にルビを振るか、名前の後に( )でフリガナを添えてあげると相手にもしっかり名前を覚えてもらえますよ。
出産報告の場合は、赤ちゃんの名前の由来も添えると良いかもしれませんね。
「結婚」と「出産」が同年だった場合はどう報告する?
おめでたいことが重なり、結婚してすぐに出産されたという方もいることでしょう。
そのような場合は、年賀状で結婚と出産を同時に報告しても全く問題ありません。
その際は、伝えることが多すぎて文が長くなりすぎないように一言添える程度にしておきましょうね。
「妊娠報告」は避けて!無事に生まれてから「出産報告」を
中には、年賀状を送るタイミングに妊娠中で、出産を控えているという方もいるかもしれません。
妊娠ももちろんおめでたいことではありますが、出産までにどんなことがあるか分からないため、年賀状で「妊娠しました!○月に生まれます」と報告することは避けた方が良いでしょう。
年賀状で大勢の人へ伝えた後に、万が一のことがないとも限りません。
そのため、無事に出産を終えてから、家族写真などを添えた「出産報告」として年賀状を送ると良いでしょう。
どうしても伝えたいという方は、親しい友人や近しい親族など、伝えても差し障りない相手に一言手書きのメッセージとして添えると良いかもしれませんね。
05. 【シーン・相手別】結婚・出産報告におすすめの文例
【結婚報告】
まだまだ未熟な二人ではございますが 本年も何卒宜しくお願い申し上げます
本年も変わらぬお付き合いをしていただけましたら幸いです
皆さまの健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます
まだまだ未熟な二人ではございますが 今後ともご指導ご鞭撻のほど 何卒宜しくお願い申し上げます
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください
住所:
【出産報告】
家族が増えて賑やかなお正月を迎えております
本年度もどうぞ宜しくお願い致します
近くにお越しの際はぜひ遊びに来てくださいね
06. 結婚報告や出産報告におすすめの年賀状デザインは?
年賀状で結婚報告をする際におすすめのデザイン(写真入り)
2人の新しいスタートのお披露目でもある「結婚報告」には、白やピンク、ゴールドなどを基調としたスタイリッシュなデザインが人気を集めています。
ウエディングドレスやタキシードなどの洋装の写真を添える場合は、デザインや賀詞も洋風・横書き、和装の場合は和風・縦書きに統一すると素敵ですね。
しかし、上司や目上の方へ送る場合、横書きでは失礼になってしまうケースもありますので、送る相手に合わせたデザインを選ぶと良いでしょう。
年賀状で出産報告をする際におすすめのデザイン(写真入り)
かわいい赤ちゃんをお披露目する「出産報告」には、柔らかいデザインのものが好まれています。
特に写真を入れる場合には、パステルカラーのものや可愛らしいイラストを添えると、赤ちゃんとの統一感があってかわいく仕上がりますよ。
しかし可愛すぎるデザインのものは上司や目上の方へは不向きのため、こちらも送る相手に合わせたデザインを選ぶ必要があります。
写真なしの場合は一般的なデザインでOK
写真を付けない場合は、一般的な年賀状デザインに文面だけで報告するということも可能です。
事情があって写真を入れない方が良い方や、上司などのビジネス関係の方に送る場合は当たり障りのないデザインの年賀状を選び、文面でさり気なく報告すると良いでしょう。
まとめ
今回ご紹介した年賀状で結婚・出産報告をする際のポイントや、気を付けておきたいことなどをまとめました。
- 年賀状のメインはあくまでも「新年のご挨拶」
- 送る相手の状況に配慮した常識的な文面やデザインのものを選ぶ
- 写真を添える場合は、大きすぎず常識の範囲内のサイズにする
- 家族付き合いのある方以外には写真を付けない
- 出産報告の写真は「家族写真」の方が良い
- 差出人は連名
- 引っ越した場合は「転送サービス」を利用する
- 名前の漢字にはフリガナを添える
- 親しい人以外には「妊娠報告」はしないのがベター
結婚・出産は人生の一大イベント。日頃お世話になっている方へ感謝の気持ちを伝えるとともに、素敵な報告ができると良いですよね。
年賀状で結婚・出産報告をする予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。