年賀状の宛名は横書きOK?失礼のない書き方マナーを解説!
文面ばかりを意識しがちですが、実は「宛名面」にも正しい書き方のマナーがあるということをご存知でしょうか。
今回は、先方に失礼のない宛名面の書き方マナーや、横書きと縦書きの使い分けについてご紹介します。
01. 宛名面は縦書きのみ?横書きでもOK?
年賀状の文面・宛名面ともに、正式な書き方には縦書きが推奨されています。
しかし、だからと言って必ずしも縦書きでなければいけないというわけではありません。
日本語とは本来縦書きするために生まれた言葉ですが、西洋文化の伝来とともに横書きも併用されるようになりました。
年賀状も同様の理由で、正式な表記は縦書きですが、横書きでも良い場合があります。
宛名面が横書きでも良い場合とは?
年賀状には、「文面と宛名面の文字表記を揃える」という基本的なルールが存在することをご存知でしょうか。
最近はデザイン重視のおしゃれな年賀状も多く、日本語だけでなく英語で「HAPPY NEW YEAR」などと横書きする場合もあります。
友人や後輩に送る時は親しみを込めて「あけましておめでとう!」と横書きで表記することもありますね。
ここで年賀状の基本ルールと照らし合わせると、文面が横書きの場合は宛名面も横書きで表記することになります。
文面と宛名面の文字表記を揃える理由とは?
文面が横書きであるにも関わらず宛名面を縦書きにしてしまうと、年賀状の基本ルールにも反していることになります。
ではなぜ、文面と宛名面の文字表記を揃える必要があるのでしょうか?
理由はとても単純。裏と表の表記が揃っていた方が、受け取った相手が読みやすいからです。
しかし、ここで1点注意したいポイントがあります。
上司や目上の方へ年賀状を送る場合は、文面・宛名面ともに正式な表記である縦書きの方が良いとされています。
02. 宛名面の正しい書き方マナー
最近は文面・宛名面ともに印刷をする方が増えていますが、宛名を手書きする場合も印刷する場合も基本的なマナーは変わりません。
宛名には、以下のような情報の記載が必要です。
- 相手の郵便番号相手の住所
- (個人の場合)相手の名前+敬称
- (会社の場合)会社名・部署・個人名など
- 差出人(宛名面ではなく文面に記載する場合もあります)
敬称の正しい書き方
年賀状を送る相手が個人の場合、相手の名前の後に敬称を付けましょう。
一人の場合
送る相手が一人の場合の敬称は「様」が一般的です。
しかし、お世話になった恩師などに送る場合は「様」ではなく「先生」と表記しても良いでしょう。
連名の場合
ご夫婦やご家族など、送る相手が複数名いる場合は、それぞれの名前の後に「様」と付けます。
ご夫婦などで名字が同一の場合、2人目の名字は省略して名前を揃えるとバランスが取れた美しい仕上がりになりますよ。
花子様
また、ご家族が多い(基本的には4名以上の)場合は代表者の名前のみ記載し、その他の方は「ご家族様」や「ご家族一同様」などと記載すれば問題ありません。
ご家族様
お子さんがいる場合
送る相手にお子さんがいる場合は、「様」ではなく「ちゃん」や「くん」と表記することができます。
一郎くん
花江ちゃん
ビジネス用の年賀状で、会社宛に送る場合
会社やお店宛てに年賀状を送る際は、会社名(店名)の後に「御中」と付けるのが一般的です。
この際、株式会社や有限会社は(株)(有)と略さず、正式名称で書くようにしましょう。
特定の相手は指定せず、会社に送る場合
会社名のみを記載する場合は、次のような書き方をします。
特定の部署に送る場合
○○会社の中の○○部を指定して年賀状を送りたい場合は、「御中」を付ける位置に注意しなければなりません。
※繰り返し「御中」と付けるのではなく、会社名→部署名順で記載し、最後に「御中」を付けます。
会社の中でも特定の方へ送りたい場合
会社の中でも、さらに特定の個人へ送りたい時には「御中」は付けず、個人の名前の後に「様」と記載します。
また、役職がある場合は「○○社長様」とはせず、敬称を付けた名前の前に役職を書くのがマナーです。
この際、役職は名前よりも小さい字で書くようにしましょう。
ここで、注意したいポイントです。
たとえ会社関係の方であっても、会社宛ではなく個人宅へ送る場合は役職を付けずに「○○様」とだけ記載します。
03. 差出人の書き方は?
年賀状には宛名の他に、差出人の記載も必要です。
差出人がないと誰から送られてきた年賀状なのか分からなくなってしまうので、必ず記載するようにしましょう。
最近は、デザインの一部として文面に差出人を記載することも多く、必ずしも宛名面に記載しなければならないというわけではありません。
- 相手への敬意を示すため、差出人は宛名よりも小さな字で書くようにします。(文字サイズのルールについては次項を参照)
- 差出人用の郵便番号欄の右端に名前が揃うように書くと、美しくまとまります。
宛名と差出人を書く時は「文字サイズ」にもルールがあります
基本ルールとして、相手の名前を一番大きく、そして差出人(自分)の住所を最も小さく書くことが一般的です。
↓(文字小)①差出人の住所
↓ ②差出人の名前
↓ ③相手の住所
↓(文字大)④相手の名前
04. 宛名を手書きする際のポイント・気を付ける点は?
実際に宛名を書く際、手書きと印刷ではどのような違いがあるのでしょうか?
印刷は決まったフォントから選ぶことができるため、きれいな仕上がりになります。
文字を書くことが苦手な方や、ご自分の文字に自信がない方にもおすすめです。
反対に手書きは、文字の美しさに関係なく、相手のことを思い出しながら丁寧に書くことで心のこもった年賀状を送ることができます。
そこが手書きの年賀状最大のメリットではないでしょうか。
しかし、手書きの年賀状を送る際は特にマナーに気を付ける必要があります。
基本的にボールペンで書くのはNG
これは宛名面だけでなく文面にも言えることですが、一般的にはお祝い事の際にボールペンのような細いもので文字を書くのは良くないこととされています。
本来、年賀状を書くには「毛筆」が最も適していると言われていますが、最近は毛筆を使い慣れていない方も多いため、筆ペンやサインペンで代用することも多いです。
友人や後輩などへの年賀状であれば使い慣れたボールペンを使用しても構いませんが、目上の方へ送る際は使用しないように注意しましょう。
「色付き」や「薄い黒」はNG
年賀状の宛名を書く際は色付きのものは控え、「黒」を使用するのが一般的です。
どうしても黒を用意できない場合は、「青」であれば先方に失礼がない色だと言われています。
また、「薄い黒」は喪中はがきを連想させてしまうため、お祝いの挨拶である年賀状には不適切です。
宛名を書く前に、インクの濃さをしっかり確認しておくと良いでしょう。
住所やビル名の省略NG
相手の住所を書く際は、同じ地域であっても都道府県から書き出すのがマナーです。
また、ビル名やマンション名も省略せずに正式名称でしっかり記載し、数字は漢数字で書くことが推奨されています。
まとめ
今回ご紹介した宛名のマナーについて、抑えておきたいポイントを以下にまとめました。
- 文面と宛名面の文字表記を揃えれば宛名を横書きしてもOK(目上の人に送る場合は縦書きが良い)
- 宛名には正しい敬称を付ける(様や御中など)
- 差出人は相手の名前よりも小さな文字で書く
- ボールペン、色ペン、薄い黒で宛名を書くことは失礼
送る相手が友人であればそこまで気にする必要はありませんが、目上の方に送る際はしっかりマナーを守って送るようにしましょうね。