いつまでに誰に出す?喪中はがきの送り方・書き方の基本
しかし、だからこそ書き方や送り方を迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか?
今回は、いざ出すタイミングが訪れた時に困ることがないよう、喪中はがきの正しい書き方や送る時期などのマナーについてご紹介します。
01. 「喪中はがき」とは?どのような時に出すもの?
近親者に不幸があった際は、お祝い事を避けて喪に服し、故人のご冥福をお祈りする期間があります。
宗教や地域によっても異なりますが、一般的には喪に服す期間は一年間とされています。
その期間は「喪中」となり、新年の訪れを祝う年賀状での挨拶も控えるのが一般的です。
しかし、これまで毎年年賀状を出していた方に対して、その年だけ急に出さないということは失礼になってしまいます。
そこで、喪中であることを相手に知らせるために送る挨拶状のことを「喪中はがき」と言います。
喪中はがきを受け取った場合は、年賀状を送るのを控える
いつも年賀状をやり取りしている方から喪中はがきが届いた際は、その方への年賀状は控えるのが一般的です。
もし「年賀状を準備してしまった方から喪中はがきが届いた」という場合は、その方への年賀状は送らずに、郵便局で書き損じはがきとして交換してもらいましょう。
また、不幸は前触れもなく訪れるもの。「送ってしまった後に喪中である旨を知らされた」ということもあるでしょう。
そのような場合は、相手へ年賀状を送ってしまった旨を伝えておけば、失礼にはなりませんのでご安心ください。
02. 近親者が亡くなった場合、何親等までが喪中扱いになる?
近しい親族に不幸があった場合は「喪中」になるとお話しましたが、実際には何親等までが「喪中」という扱いになるのでしょうか。
家族や祖父母に不幸があった際は当然、喪中になることは分かります。
では、義両親や義兄弟、叔父(伯父)や叔母(伯母)などの場合は?と、喪中となる範囲を迷われる方も少なくはありません
一般的には2親等までが「喪中」
基本的には、1親等の両親(義両親)、2親等となる兄弟(義兄弟)や祖父母に不幸があった場合が「喪中」となります。
同居をしていない2親等の親族(祖父母や義兄弟)は喪中の範囲に含める必要がないこともありますが、喪に服すことは強制的なものではなく、ご本人の気持ち次第です。
別居している2親等、また3親等以上の親族の場合は、明確な決まりはないので、故人との関係性やご本人の気持ちを考慮した上で、喪中はがきを送るかどうか判断すれば差し支えありません。
故人との関係性を考慮し、年賀状を送る場合も
例えば、配偶者(義理)の祖父母や兄弟などに不幸があった場合も基本的には喪中になりますが、プライベートで関わりがない仕事関係の方などへは喪中である旨は伝えず、年賀状を出すこともあります。
ケースバイケースのため、家族間でよく話し合って決めておきましょう。
03. 喪中はがきを出す必要があるのはどのような関係性の相手?
喪中はがきは、毎年年賀状のやり取りをしている方に出すものですが、実際にどの範囲の相手にまで出せば良いのか迷う方も多いのではないでしょうか。
ここからは、親族・友人・会社関係など、喪中はがきを出すべき相手の範囲について関係性別にご紹介します。
親族には喪中はがきを出す?出さない?
近しい親族の場合、お互いに喪中となることもありますよね。
そのような場合は、お互い承知の上で喪中はがきを出すことを省略しても差し支えありません。
友人には喪中はがきを出す?出さない?
基本的には、年賀状のやり取りをしている全ての方に喪中はがきを出しますが、特に若い方の場合、親しい友人にはメールなどで喪中である旨を伝える方も増えているようです。
どちらにしても年賀状は送らないため、友人との関係性を考慮して相手に失礼のない範囲で伝えると良いでしょう。
会社関係や職場の方には喪中はがきを出す?出さない?
会社関係の場合、個人ではなく会社間でやり取りする年賀状の場合は必要ありませんが、個人名でやり取りしている方には喪中はがきを送る必要があります。
しかし、仕事上でのお付き合いのみの方へは、上記したように、喪中はがきではなく年賀状を送る場合もありますので、状況や関係性に応じて判断しましょう。
04. 喪中はがきを送る時期は?いつまでに出す?
喪中はがきは、相手が年賀状を準備する前に届く必要があります。
つまり、一般的に年賀状が販売される11月から遅くとも12月初旬頃までに相手方に届くのが良いと言われています。
喪中はがきが間に合わない!年末に不幸があった場合はどうする?
しかし、12月に入ってから不幸があった場合など、喪中はがきの準備が間に合わないというケースもありますよね。
そのような場合は無理して喪中はがきを準備せず、年賀状をいただいた方々へ松の内が明けてから立春までの1月7日~2月4日くらいまで の期間(地域によって異なる)に「寒中見舞い」としてお返事をするのがマナーです。
その際は、年末に不幸があって年賀状を送れなかった旨を書き添えておくと、年賀状が送れなかった理由も伝わり、失礼にあたりません。
05. 喪中はがきの書き方マナー
喪中はがきは頻繁に送るものではないため、書き方を迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、一般的な喪中はがきの書き方についてご説明します。
喪中はがきに書くべき事項
①年賀状を控える旨
②故人の情報
③日頃の感謝
④喪中はがきを作成した日付
⑤差出人の住所氏名
喪中のため、年賀状を控える旨を相手に伝える
- 「喪中につき 年頭のご挨拶をご遠慮いたします」等を文頭に添えましょう。
- 喪中はがきには拝啓や敬具、時候の挨拶などは書く必要がありません。
故人の情報を書く(どのような続柄の誰が、いつ、何歳で亡くなったか等)
- 夫婦が連名で喪中はがきを出す場合、義母が亡くなった場合でも続柄は「母」とするなど、どちらにも対応できる書き方に統一する必要があります。
- 亡くなった年齢を表す際は数え年とし、年齢の後に「歳」は付けずに「享年○」と書きますが、最近では分かりやすく「○歳で永眠しました」と書く方も増えてきています。
日頃の感謝の気持ちを書く
これまでお世話になった方への感謝の気持ちとともに、今後とも変わらぬお付き合いをお願いする挨拶文を加えます。
喪中はがきを作成した日付、差出人の氏名を書く
差出人が連名の場合は、夫→妻の順で書くのが一般的です。
喪中はがきの文例集(一例)
本年中に賜りましたご厚情を深く御礼申し上げますとともに 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
つきましては喪中につき 新年のご挨拶を謹んでご遠慮させていただきます
皆さまにはよき新年をお迎えくださいますよう お祈り申し上げます
これから寒さが一層厳しくなります折柄 くれぐれもお身体をご自愛くださいませ
06. 喪中はがきを書く時に注意すること、NGルールについて
喪中はがきの通信面は薄墨で書く
喪中はがきの通信面の挨拶文は、ご遺族の悲しみを表す「薄墨」で書くことが一般的です。
最近は全てを手書きする方が少なくなり、印刷された喪中はがきに一言メッセージを添えて送るという方が増えています。
ご自身でパソコンなどを使って作成される場合も、薄墨を選択しましょう。
しかし、宛名面に関しては薄墨ではなく通常の黒色で作成して問題ありません。
宛名面も薄墨にしてしまうと、配達の際に文字が読みにくく、きちんと配達されなくなってしまう可能性もあるため、宛名面はしっかりとした濃い色で書くことが推奨されています。
喪中はがきは書体にも注意する
喪中はがきのように悲しいご報告をする際の挨拶文に、「ゴシック体」や「ポップ体」などの書体は不適切です。
パソコンなどで喪中はがきを作成する際は、「明朝体」「行書体」「楷書体」「筆文字」などの書体から読みやすいものを選んで使いましょう。
宛名面は縦書き
また、喪中はがきは正式な挨拶文となりますので、例え親しい友人や後輩などへ送る場合でも年賀状のようにフランクに送ってはいけません。
喪中はがきの宛名面は縦書きで、書体もポップではないものを選びましょう。
07. 喪中はがきの種類は?どのようなものを選ぶべき?
ご存知ない方も多いのですが、実は「喪中専用」のはがきというものは存在しません。
では実際に喪中はがきを出す際、どのような種類のものを選ぶべきか迷ってしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここからは喪中はがきの選び方についてご紹介します。
喪中はがきのデザイン
通常はがきを購入して喪中はがきを作成する場合は、切手部分に「鳩」が描かれたものを選ぶのが一般的です。
インクジェット紙のタイプもあり、こちらのデザインは「小鳥」になっています。どちらを選んだとしても特に問題はありませんので用途に合わせて選びましょう。
また、私製はがきのように、ご自身で切手を貼って送るものも喪中はがきとして使用することが可能です。
その際、切手は「慶弔用」のものを選んで貼りましょう。
喪中はがきが購入できる場所は?
鳩が描かれた通常はがきは、郵便局やコンビニ、家電量販店や大型ショッピングモールの他、インターネットでも購入することができます。
まとめ
今回ご紹介したポイントを以下にまとめました。
- 喪中はがきは、1親等の両親(義両親)、2親等となる兄弟(義兄弟)や祖父母に不幸があった場合に出す
- 11月~12月初旬までには喪中はがきを準備して出す年末に不幸があった場合は、年賀状を出すのは控えて「寒中見舞い」を送る
- 喪中はがきの通信面は「薄墨」で、宛名面は通常の黒色で書く
- 書体は「明朝体」「行書体」「楷書体」「筆文字」から選び、縦書きする
- 通常はがきの場合は切手部分に「鳩」が描かれたものを選ぶ
- 私製はがきには「慶弔用切手」を貼る
「喪中はがき」はあくまでも、「喪中につき 年始のご挨拶を控える」という目的で送るものです。
そのため、近況報告や出産・転居などのおめでたい報告は避けるのがマナー。
近況を伝えたい場合は、改めて「寒中見舞い」などを送ると良いでしょう。
喪中はがきの正しいマナーを抑えておくと、いざという時に慌てず用意することができますね。