年賀状は句読点「、。」はNG!正しい賀詞の使い方や避けるべき表現を解説
実は、年賀状には「、」や「。」などの句読点を付けてはいけないというマナーがあります。
今回は、年賀状に文章を入れる際の正しいマナーと、賀詞の書き方についてご紹介します。
01. 年賀状に「、」や「。」などの句読点はNG! その理由は?
普段から句読点を付けることが習慣化している日本人にとって、意外と知らない方が多いこちらのマナー。
句読点は文章を区切って読みやすくするために用いるものですが、年賀状などのお祝いの際には使用を避けた方が良いと言われています。
「終わり」や「区切り」を連想させる句読点は、お祝い事には適していないため
句読点に用いられている「、」は文章を区切る際に、「。」は文章の終わりに使用されるものです。
年賀状は新しい年をお祝いするためのご挨拶として送るものなので、「区切り」や「終わり」が連想される句読点を使うことは縁起が悪いとされ、使用が適していないと言われています。
新年の挨拶をメールでする場合も要注意!
親しい友人などには、年賀状ではなくメールで新年の挨拶をするという方も少なくはないでしょう。
意外と知られていませんが、メールで新年の挨拶をする場合も年賀状の時同様、句読点を付けないことがマナーとなっていますので、注意が必要です。
年賀状以外にも句読点を付けてはいけないものがある
皆さんが普段、何気なく目にしている文章の中にも句読点を付けないルールが適応されているものがあることをご存知でしょうか?
年賀状だけでなく、結婚式の招待状や賞状などにも句読点は付いていません。
理由は年賀状同様、「お祝い事」だからです。
もしこのルールを知らずに、「これまで句読点を付けてしまっていた」という方もご安心ください。
句読点を使うことが日常化している現代では、年賀状の句読点の使用マナーにも寛容になっているため、知らずに句読点を付けた年賀状を送ってしまっていたとしても目くじらを立てる人は少ないでしょう。
今後、特に目上の方へ年賀状を送る場合は、句読点を付けないよう意識しておくと良いかもしれませんね。
句読点を使わずに読みやすい文章を書くための工夫
やはり、句読点を使わずに長々と書いた文章は、相手の方にも読みにくい印象を与えてしまいます。
今では当然のように使用している句読点ですが、明治時代までは日本語に句読点を使う習慣はありませんでした。
それまでは、スペースや改行などで読みやすい工夫がされていたため、年賀状にもその知識が応用できます。
年賀状でも、本来句読点を使用する箇所に少しだけスペースを入れたり、文章の終わりに改行をすれば、句読点がなくても読みやすい文章に仕上がります。
02. 句読点以外も!年賀状を書く際に注意したいNGマナーについて
古くから、新年の挨拶状として習慣化している年賀状。
句読点以外にも、「やってしまいがちだけど実はNG」というマナーが複数存在します。
年賀状には相応しくない「忌み言葉」は避けましょう
年賀状に限ったことではありませんが、お祝い事や験を担ぎたい時に使用するのを避けた方が良い「忌み言葉」というものがあることはご存知でしょうか?
分かりやすい例だと、受験の時に「落ちる」や「滑る」などのワードは使用NGとされているのと同じ理由です。
年賀状は新年をお祝いする挨拶状なので、やはりネガティブなことを連想させる言葉の使用は控えた方が良いとされています。
「去る」「滅びる」「苦しむ」「消える」「終わる」「病む」「離れる」「絶える」「衰える」「崩れる」「失う」「無」「悪」など
※去年は「去る」という漢字を使用するため、「去年はお世話になりました」という文章を入れたい場合は、「昨年」や「旧年」などの言葉に言い換える必要があります。
03. 年賀状を書く際に注意したい「賀詞」の正しい書き方とは?
年賀状を書く時に必ず入れるものと言えば、新年をお祝いする言葉ですよね。
こちらでは、「あけましておめでとうございます」や「謹賀新年」「賀正」などの賀詞を書く際に注意するべきポイントをまとめました。
そもそも賀詞とは?
賀詞とは、お祝いの際に用いられる言葉のことで、元旦に使用されるものを指す言葉ではありません。
年賀状でよく目にするものだけでも次のように様々な賀詞が使われており、それぞれ意味も異なります。
- 「寿」や「祝」などの1文字だけで表すもの
- 「賀正」「迎春」「謹賀新年」などの熟語
- 「あけましておめでとうございます」や「謹んで新春のお喜びを申し上げます」などの文章
- 「Happy New Year」などの英語やその他外国語
重複NG!賀詞の使い方に気を付けよう
年賀状に使用する賀詞は1つだけというマナーがあることをご存知でしょうか?
例えば、「賀正」や「謹賀新年」と書いてある年賀状の後に挨拶として「あけましておめでとう」と入れてしまった場合、同じ年賀状の中に賀詞が重複していることになります。
「 」の中が賀詞です。
重複となるため、これらの二重使用はNGです。
- 「新年」「あけましておめでとうございます」
- 「一月一日」「元旦」
- 「賀正」「新春のお慶びを申し上げます」
- 「祝」「謹賀新年」
英語表現「Happy New Year」にも注意
さらに、友人や後輩など親しい間柄の人に年賀状を送る場合、特に若い方はおしゃれに「Happy New Year」と書く方も少なくはありません。
英語で表現すること自体は問題ありませんが、その時に「A Happy New Yea」と「A」を付けてしまうのも、よくある間違いのひとつです。
では、なぜ「A」が必要ないのでしょうか?
英語圏では、新年の挨拶とクリスマスを同時に祝うことが多く、「Merry Christmas and a Happy New Year」と表現されることがほとんどです。
しかし日本では、クリスマスとお正月は分けて考えられているため「A Happy New Year」の部分だけが抜粋されて残ってしまい、このような表現になったと言われています。
本来お祝い事の場合に「A」は必要ないため、年賀状で英語表記する場合はAを抜いて「Happy New Year」と正しく表現しましょう。
04. 年賀状を送る相手に合わせた賀詞を選びましょう
では、実際に年賀状を書く際、どのような賀詞を選べば良いのでしょうか?
実は賀詞にも、送る相手に合わせた選び方のマナーが存在します。
目上の方への年賀状に最適な賀詞とは?
目上の方に年賀状を送る場合は、短い賀詞を選ぶことは良くないと言われています。
1文字で表す「寿」や「祝」、2文字の「賀正」や「迎春」などは、読み手に簡略化された印象を与えて失礼になってしまうため、上司や先生など目上の方へ送る場合には避けた方が良いでしょう。
目上の方には、相手を敬う漢字(謹・恭・敬など)が含まれている4文字の賀詞や、丁寧な表現の賀詞を選ぶことをおすすめします。
- 4文字の賀詞…「謹賀新年」「恭賀新年」「敬頌新禧」「慶賀光春」など
- 丁寧な文章の賀詞…「謹んで新春のお慶びを申し上げます」など
友人や後輩への年賀状に最適な賀詞とは?
友人や後輩への年賀状は、目上の方の時程マナーに気を付ける必要はありません。
賀詞の重複や忌み言葉の使用にさえ気を付けておけば、年賀状のデザインやバランスを考慮した賀詞を選んで問題ないでしょう。
- あけましておめでとう!
- Happy New Year
- 「賀正」「迎春」「寿」などの短い賀詞
賀詞に迷ったら!送る相手を選ばない無難な賀詞がおすすめ?
どのような賀詞を選べば良いのか迷ってしまったら、用途を選ばずどんな相手にも使える無難な賀詞を選んでおくことをおすすめします。
- 明けましておめでとうございます
- 新春のお慶びを申し上げます
- 謹んで新春のお慶びを申し上げます
- 謹賀新年 など
まとめ
今回ご紹介した年賀状を書く際の句読点、賀詞の正しいマナーについてのポイントを以下にまとめました。
- 年賀状には「、」や「。」などの句読点を付けてはいけない
- 句読点を付けずにスペースや改行で読みやすい工夫を
- 年賀状には、ネガティブなことを連想させる「忌み言葉」を使わない
- 賀詞の重複はNG(英語表記にも気を付ける)
- 目上の人に短い賀詞は失礼(4文字以上の賀詞がおすすめ)
年賀状は読み手の顔が見えないからこそ、正しいマナーを守って心のこもったご挨拶文を送りたいですね。