喪中はがきを受け取ったらどうする?届いたタイミングや状況に応じた返し方マナーを解説
毎年年賀状のやり取りをしている相手から喪中はがきが届いた時には、どのような対応をすれば失礼にあたらないのでしょうか?
今回は、喪中はがきを受け取った際のマナーについてご紹介します。
01. 「喪中はがき」はいつ頃届く?
皆さんのお宅へは、いつ頃喪中はがきが届いていますか?
人によって届く時期にバラつきはあるものの、基本的には年内に届くものというイメージがあるのではないでしょうか。
基本的に喪中はがきは、年賀状とは異なり、送る時期に正式な決まりはありません。
ただし、喪中であることが分かっている場合は相手が年賀状を用意しはじめる11月~遅くとも12月初旬までを目安に送るのがマナーと言われています。
しかし、12月に入ってから身内に不幸があった場合など、年賀状を用意した後に喪中はがきが届くという例外もあるということを念頭に置いておきましょう。
では、喪中はがきが届いた方への年賀状は、どうすれば良いのでしょうか?
「喪中はがき」が届いた人には年賀状を送らない
年末までに喪中はがきが届いた場合、その方は喪中となるため、こちらも年賀状でのご挨拶を控えるのがマナーです。
そのような場合は年賀状ではなく、松の内が明けてから立春までの1月7日~2月4日くらいまでの期間(地域によって異なる)に「寒中見舞い」としてご挨拶状を送る方もいます。
02. すぐにお悔やみを伝えたい時には「喪中見舞い」を送る
しかし、故人と面識があった場合や、生前家族ぐるみのお付き合いをされていた場合、訃報を受けてすぐに「お悔やみの言葉だけでも伝えたい」「ご遺族に励ましの言葉をかけてあげたい」という方も多いのではないでしょうか。
寒中見舞いは送る期間が決まっており、相手に到着するまでに少し時間が空いてしまうため、そのような際に送る時期を問わない「喪中見舞い」という新しい文化が注目されています。
「喪中見舞い」は近年の新しい礼節
近年広がりを見せる「喪中見舞い」とは、喪中の方に対して電報・手紙・はがきなどでお悔やみの気持ちを伝える新しい風習のことです。
寒中見舞いは基本的にご挨拶だけを送るものですが、喪中見舞いの場合、ご挨拶状と一緒にご遺族へ香典やお供え物などを送ることもあります。
「喪中見舞い」は、お線香やお花などの品物を添えて送ることもある
近年は「密葬」や「家族葬」などを選択される方が多く、近親者だけで静かに葬儀を終え、周囲の方へは落ち着いてから訃報を伝えるというケースが増えています。
「喪中はがきが届いて、初めて訃報を知った」という方も多いのではないでしょうか。
そこで、訃報を受けてからすぐに送れる電報が「喪中見舞い」に最適だと注目されています。
最近では、喪中見舞い用の電報も登場し、お線香やお仏壇に飾れるお花などを電報と一緒に送ることができるようです。
「喪中見舞い」には一言コメントを添えると良い
喪中見舞いを送る際、定型文をそのまま送ることもできますが、何か一言でも自筆のコメントを書き添えることをおすすめします。
例えば、生前の故人との思い出や、ご遺族を気遣う言葉などを添えると気持ちが伝わって良いですね。
また、お線香やお花など、もし何か一緒に送るものがある場合は、その品物についての説明も加えると良いでしょう。
品物を送る際は、相手に気を遣わせない程度のものを選ぶことがマナーとされています。
03. 「喪中見舞い」書き方のポイント
喪中見舞いは、故人と遺族へ思いやりの気持ちを込めて送るものです。
ご遺族の悲しみに寄り添い、正しい書き方マナーで挨拶状を送りたいですよね。
ここでは、喪中見舞いを送る際に気を付けておきたいポイントを箇条書きでまとめました。
- 喪中の知らせを受けたら(喪中はがきが届いた等)なるべく早めに喪中見舞いを出しましょう。
- はがきや便箋を選ぶ際は、華やかなものは避けて慶弔用のもの、もしくは落ち着いた色合いのものを選ぶようにします。
- 喪中見舞いには、拝啓や復啓などの「頭語」、敬具や拝答などの「結語」は不要です。
- 文末には、生前の故人との思い出話やご遺族の身体を気遣う言葉を書き添えます。
04. 【パターン別】喪中見舞いの書き添え文例集
ここからは、実際に喪中見舞いを送る際に書き添えると良い文例を相手別・パターン別でご紹介します。
喪中はがきの場合も年賀状や寒中見舞い同様、基本的には定型文が存在します。
パターン別に知っておけば、喪中のお知らせを受け取った後にスムーズにお返事ができますよ。
喪中はがきが届く前から亡くなったことを知っていた場合
この度は丁寧なご挨拶状をいただき ありがとうございます
○○様がご逝去されてから○ヶ月になりましたが 皆様方におかれましてはまだまだ寂しい日々をお過ごしのこととお察しいたします
服喪中でいらっしゃいますので 年頭のご挨拶は控えさせていただきますが ご家族皆さま方 くれぐれもお身体をご自愛のうえ 穏やかな新年を迎えられますよう心よりお祈り申し上げます
(元号)○年○月○日
喪中はがきが届いて初めて訃報を知った場合
年賀欠礼のお知らせを拝見し はじめて○○様のご逝去を知りました
遅ればせながらお悔やみを申し上げ ○○様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
お気を落とされていることと存じますが どうぞお身体に気を付けて 新しい年をお迎えくださいませ
(元号)○年○月○日
喪中はがきが届いた時には、すでに年賀状を送ってしまったという場合
この度は丁寧なご挨拶状をいただき ありがとうございます
年賀欠礼のお知らせを拝見し はじめて○○様のご逝去を知りました
お悔やみも申し上げず失礼いたしましたことをお許しください
遅ればせながら 謹んでご冥福をお祈り申し上げます
服喪中とは存じ上げず 先日年賀状を投函してしまいました 失礼の段何卒ご容赦ください
まだ悲しみの癒えぬ毎日をお過ごしのことと存じますが ご家族の皆さまがおだやかに新年を迎えられますよう心よりお祈り申し上げます
(元号)○年○月○日
年賀状が相手に届いてしまった後に喪中だと分かった場合
○○様がご逝去との悲報に接し 大変驚いております
ご服喪中とは存じ上げず 先日は年賀状をお送りしてしまい 申し訳ありませんでした
遅ればせながら ○○様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
皆さま方におかれましても くれぐれもお身体をご自愛くださいませ
(元号)○年○月○日
自分も喪中だった場合
この度はご丁寧な年賀欠礼のご挨拶をいただきまして ありがとうございました
○○様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
実は ○月に私どもの(関係性)○○も亡くなりました
本来であればこちらから御連絡を差し上げるべきところなのですが 行き届かずに大変失礼いたしました
生前のご厚情を深く御礼申し上げますとともに 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
これから寒さが一層厳しくなります折柄 くれぐれもお身体をご自愛くださいませ
(元号)○年○月○日
まとめ
今回ご紹介した「喪中はがき」が届いた時に注意しておきたいポイントを中心に、以下にまとめました。
- 喪中はがきが届いたら、年賀状を送るのを控える
- ご挨拶状を送る場合は、1月7日を過ぎてから「寒中見舞い」を出す
- すぐにお悔やみの気持ちを伝えたい場合は「喪中見舞い」を出す
- 喪中見舞いの場合、線香やお花などのお供え物や香典を付けて送ることができる
- 喪中見舞いには「頭語」や「結語」は不要
- 文末にはご遺族を気遣う言葉を入れる
喪中はがきは、悲しみの癒えないご遺族から届くもの。失礼のないお返事ができるよう、正しいマナーを身に付けておきたいですよね。
「喪中見舞い」は必ずしも送らなければならないものではありませんが、ご遺族の気持ちに寄り添い、故人を偲ぶ気持ちも伝えられる、温かみのある日本の新しい文化と言えます。